夜尿症とは
いわゆる「おねしょ」ということですが、5歳を過ぎてからも月1回以上の夜間時の尿失禁があり、これが3ヵ月以上継続している状態にあると夜尿症と診断されます。
なお夜尿症の5歳児というのは、それほど珍しいことではなく、全体の2割程度にみられるとされ、その後は年を重ねるごとに減少していき、成人を迎える頃にはほぼ治癒するようになります。
ちなみに男女比は2:1で、男性に見受けられることが多いです。
原因としては、夜間の睡眠時に尿量を少なくする働きをするホルモンである抗利尿ホルモン（AVP）の分泌が低下していることによる尿量増加による夜間多尿ということがあります。
また尿を溜める膀胱の睡眠時の働きが十分でなく（膀胱が小さい、尿はまだ溜められる状態なのに勝手に収縮してしまう 等）、このような状況でも目覚めにくい体質のため夜尿症が起きるということもあります。
ただ原因疾患とされるものがほぼないので、成長とともに治っていくようになります。
それでもある程度の時期まで続くというのは、自尊心に影響を与えたり、学校行事に制限が必要だったり、心理的負荷が強くなっていきます。
このような状況であれば、自然治癒を待つことなく、積極的に治療を行っていきます。
治療について
治療にあたっては、まず生活指導から行っていきます。
具体的には、早寝早起きなど規則正しい生活を行う、夕食は早めにとる、夜間は水分の摂取を制限する、寝る前にトイレに行くなどです。
上記だけでは効果が乏しいとなれば、抗利尿ホルモンの働きを促進させる（尿の濃縮化 等）ための抗利尿ホルモン薬の投与、あるいはアラーム療法が行われます。
ちなみにアラーム療法とは、センサーの付いた下着を履いて就寝し、それが尿で濡れるとセンサーが反応してアラーム音が鳴るなどして、目が覚めてトイレに行くというものです。
これを続けていくことで、強い尿意を感じるとやがて自然と目覚め、アラームがなくともトイレに行けるようになっていきます。
