舌下免疫療法とは

アレルギー症状を根本的に治療していくアレルゲン免疫療法のひとつになります。
舌下免疫療法は、アレルゲンが含まれた錠剤を服用するというもので、まず舌の下に錠剤を入れます。すぐに唾液に溶けてしまいますが1分間は唾液を飲み込まず、1分後に飲み込んでいきます。
まずは少量のアレルゲンを含んだ錠剤（初回量）から投与し始め、1週間後受診いただき、副反応がなければ維持量になったら、その量を維持して服用し続けます。

身体に慣れさせることでアレルギーを克服していくというもので、治療期間については、短くても3年以上は必要となります（できれば5年間内服します）。
アレルギー症状の完治や軽減などの効果が8割程度の方にみられています。

同療法が適用されるのは5歳以上で、現時点ではスギの花粉、もしくはダニがアレルゲンによるアレルギー症状のある方のみが対象となります。
ちなみに2つともアレルゲンであるという患者様は、まずどちらか一方のアレルゲンに対して舌下免疫療法を行います。

スギ花粉がアレルゲンの患者様では、「シダキュア」と呼ばれるスギ花粉のエキスが含まれた錠剤を1日1回（1錠）、毎日投与することになります。
ただ開始時期にあたっては、スギ花粉の飛散時期を避ける必要があるので、6～12月の間に行うことになります。
一方ダニがアレルゲンとされる患者様には、「ミティキュア」の舌下錠による舌下免疫療法が行われます。

1日1錠の服用です。
なおスギ花粉の舌下錠のように開始時期が制限されることはありません。

いずれの場合でも初回の投与は院内で行い、これといった異常がみられなければ、次回の投与からはご自宅で行うことになります。
なお治療期間中は、一定の間隔で通院する必要があります。

副作用について

アレルゲン免疫療法（皮下免疫療法 等）の中では、それほど重篤な症状は出にくいとされています。
ただ同療法によって、口の中に腫れやかゆみがみられるほか、極めてまれとされていますが、アナフィラキシーの症状が現れる可能性もあります。

治療の流れ

舌下免疫療法では、スギ花粉症に対してはシダキュア、ダニ・ハウスダストアレルギー性鼻炎に対してはミティキュアというお薬を使います。

1.アレルギー検査

3年間アレルギー検査を受けていない方はドロップスクリーンというアレルギー検査を受けていただきます。翌日以降に検査結果がでますが、その結果で舌下免疫療法の適応を判断させていただきます。希望がありましたら、結果説明と同じ日に舌下免疫療法の導入を行うこともできます。

2.舌下免疫療法の初めての治療日（導入日）

過去にアレルギー検査を受けたことがある方は、必ず検査結果をお持ちください。（3年間アレルギー検査を受けてない方は再検査してからの治療開始になります。）

注意事項

問題がなければ、院内で1回目の舌下免疫療法を行います。治療後は、30分程院内で待機していただき、特に大きな副作用等が現れない場合は、初めての治療は終了となります。

3.初回以降の治療

初めての治療から2週間後に来院していただきます。3回目以降は、1か月に1回の間隔で来院していただくことになります。
※シダキュアでの花粉症の治療は、花粉が飛んでいる時期（1月～5月）には開始することができません。