みずいぼの新たな治療、銀イオン配合クリームについて
みずいぼは治るまでに数か月~数年と長期間かかることもありますが、自然に治ることが期待できます。
当院で現在治療する場合は、先が輪になったみずいぼ専用の器具で、一つずつつまみとります。多少の痛みはありますが、10個以内くらいなら小さい子どもも我慢できることが多いです。数十個以上できている時は、1回に10個ずつ摘除し、何回かにわけて摘除を行う場合もあります。
痛みを減らすために、処置の約1時間前に局所麻酔入りのテープ(リドカインテープ)を貼ってから取る方法も取り入れていますが、それでもまったく痛みがなくなるわけではありません。
みずいぼの痛みを伴わない新たな治療
なぜ痛くない治療が大事なのか
みずいぼの摘除は、どうしても「痛み」と「恐怖心」を伴う治療です。ピンセットでの摘除は、麻酔テープを使っても痛みを完全に取りきることはできません。また、処置を怖がって暴れてしまい、どうしても治療を進められないお子さんも一定数いらっしゃいます。さらに、強い痛みや怖い思いをすると「病院=こわいところ」というイメージが残り、今後の診察や予防接種を極端に嫌がるきっかけになることがあります。保護者の方にとっても、我が子が痛がって泣く様子を見るのは、とてもつらいことです。「かわいそうだけれど、取らないと増えるし…」と悩まれる方も多いです。こうした負担を少しでも減らしたいという思いから、「痛みをほとんど伴わない新しい治療」として、当院では銀イオン配合クリームを導入しました。
銀イオン配合クリームという選択肢
銀イオン配合クリームはみずいぼの原因となるウイルスに働きかけることを期待した外用薬です。皮膚に塗るタイプの薬で、ピンセットによる摘除のように器具でつまむ必要がないため処置による痛みがありません。数がとても多くすべてを摘除するのが難しい場合、痛みや処置を極端に怖がるお子さん、できれば自宅で少しずつ治療を進めたい場合など、これらのようなケースで銀イオン配合クリームによる治療は効果的と考えています。
銀イオン配合クリームの特徴
塗り方・使い方
1日2回程度、朝と夜(入浴後など)、皮膚が清潔な状態で使用します。みずいぼのある部分に、綿棒や清潔な指先で薄く塗ります。塗った後はテープやガーゼで覆う必要はなく、そのまま衣類を着て、普段通りの日常生活を送ることができます。ご自宅でできる「塗るだけのみずいぼ治療」ですので、通院の負担も少なくお子さんの負担を軽減することができます。
効果のあらわれ方
みずいぼクリームを1〜2か月ほど塗っていると、ポツポツが少し赤くなってくることがあります。これはみずいぼが反応しているサインで、その後も塗布を続けることで、ポツポツがだんだん小さくなり、最終的には自然に消えていきます。みずいぼの数や広がり方、お子さんの体質によって効果が出るまでの期間には個人差がありますが、「数週間で一気に治る」というより「数か月かけて少しずつ減っていく治療」と考えていただくとイメージしやすいと思います。
従来の治療との違い
ピンセットでの摘除はその場でみずいぼの数を減らせる即効性が魅力ですが、どうしても痛みを伴います。一方で、銀イオン配合クリームは即効性は弱いものの、痛みがほとんどなく、自宅で続けられることが大きなメリットです。
当院では、「できるだけ早く数を減らしたい」「痛みの少ない方法を優先したい」といった、各ご家庭のご希望をうかがいながら、ピンセットでの摘除と銀イオンクリームを組み合わせるなど最適な選択肢をご提案します。
安全性と副作用
銀イオンクリームの安全性
銀イオン配合クリームには、ステロイドは含まれていません。主に銀イオンと保湿成分をベースにした外用薬で、「ステロイド外用薬はできるだけ避けたい」という保護者の方にも選びやすいお薬です。
使用できる年齢
乳幼児からのお子さんにも使用可能とされている薬です。アトピー性皮膚炎や乾燥肌があるお子さんにも使えますが、皮膚の状態によっては塗る範囲や回数を調整した方がよい場合があります。当院では、診察で皮膚の状態を確認したうえで、年齢や肌質に合わせた使用方法をご説明します。
また、使用時に塗布部の赤み、軽いかぶれ、かゆみなどの症状がまれにみられることもあります。みずいぼが少し赤くなる程度の変化は、治っていく途中の反応であることが多いですが、強い赤み、大きな腫れ、水ぶくれ、ジュクジュクしたただれなどが出た場合には、使用を中止し、早めに受診してください。当院で皮膚の状態を確認し、必要に応じて治療方針を調整します。
負担費用
みずいぼ治療薬としての銀イオン配合クリームは保険適用外です。そのため、自費診療となり、薬代は全額自己負担となります。費用は、1本15gあたり 2,200円(税込)。
銀イオン配合クリームは自費診療で、保険の飲み薬や従来の摘除に比べると費用負担はあります。その一方で、
- 痛みをほとんど伴わない
- 自宅でできる
- お子さんの恐怖心やご家族のストレスを減らせる
といった大きなメリットがあります。
みずいぼの注意点
1,家庭内での感染を防ぐには
- 入浴後はタオルを別々にしましょう。入浴中の肌と肌が直接触れ合うことは避けてください。 ・みずいぼのウイルスは50℃で感染力を失うため、みずいぼがある方の衣類・タオル・寝具などを熱湯で消毒すると効果的です。
2,周囲への感染を予防するには
- みずいぼのある子どもはプールを利用する際、タオル・浮き輪・ビート板などの共有を避けましょう。
- プールの後は、シャワーで皮膚を清潔に洗うことを勧められています。
3,アトピー性皮膚炎の子どもについて
- 皮膚のバリア機能が低いため、みずいぼにかかりやすくなります。
- さらに、湿疹と一緒にみずいぼの発疹を掻くと、全身に広がりやすく治りにくくなることがあります。
- 日頃から保湿剤で肌を整え、湿疹の治療(ステロイド剤の外用など)を適切に行い、みずいぼにかからないよう心がけましょう。
みずいぼ治療薬「銀イオン配合クリーム」について、ご不安な点や「うちの子にはどの治療が合いそうか」など、気になることがあれば、受診の際に遠慮なくご相談ください。「多少痛くても、数を早く減らしたい」、「時間がかかってもいいから、痛みの少ない方法がいい」など、ご家庭によって優先されることはさまざまです。当院では、それぞれのご希望を丁寧にうかがいながら、ピンセットによる摘除と銀イオン配合クリームによる治療から、最適なみずいぼ治療をご一緒に考えていきます。お子さんにとっても、ご家族にとっても、できるだけ負担の少ないみずいぼ治療を一緒に選んでいきましょう。
