おたふくとは
おたふくかぜの正式な疾患名は「流行性耳下腺炎」で、ムンプスウイルスの感染が原因とされています。
感染力が強く、飛沫感染や接触感染が主な感染経路で、2～3週間と比較的長い期間の潜伏期間を経てから発症するようになります。
3～6歳の小児に罹患しやすく、感染しても全体の3割程度の方は発症しないこともあります。
主な症状ですが、耳の下にある耳下腺、顎の下にある顎下腺と呼ばれる部位に腫れ（両側もしくは片側）がみられ、それら部位を押すと痛みが出るようになります。
上記以外にも発熱、唾液を飲み込む際に痛みがみられ、食事がとりにくくなるなどすることもあります。
なお同疾患は、合併症を引き起こしやすいことでも知られ、無菌性髄膜炎のほか、まれなケースとして、難聴、膵炎などもあります。
さらに思春期以降に発症したのであれば、卵巣炎（女性の場合）、精巣炎（男性の場合）を併発するリスクもあります。
ちなみに腫れの症状については1週間程度で引くとされています。
学校保健法では、（おたふくかぜの）症状が現れてから5日が経過し、全身の状態が良好となるまでは出席停止となります。
医師が症状をみることで診断はつきますが、判定が難しい場合は血液検査を行うこともあります。
治療について
ムンプスウイルスには特効薬はなく、対症療法がメインとなります。
発熱や痛みがあるという場合は、解熱鎮痛剤を使用し、水分の摂取にも注意しながら安静に過ごします。
腫れている分を冷やすのも良いとされています。
このほか、先に挙げた合併症のリスクをできるだけ低減させるため、病み上がりの状態で激しい運動をすることは避けるようにしてください。
